Category: Longform
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おでかけ日記 - 庭園めぐり再び
今日は、先日のスタンプラリーの続きをやろうと、思い切って一日で残りをすべて回ることにしました。
まずは浜離宮恩賜庭園を目指して新橋へ。浜離宮に向かう途中、Anker Store & Cafeを発見。ストアは最近たまに見かけるけれど、カフェ併設は珍しいなあ…と思いながらエスカレーターを上がっていたものの、気になるセンサーがどうしてもオフにできず。結局そのまま回れ右して下り、寄り道することにしました。朝ごはん、まだだったし…。
エッグサンド(またはハムサンド)とドリンクのモーニングセットが490円。パンの焼き加減が絶妙でとっても美味しい。ボリュームも朝にはちょうどよくて、良いお店を見つけられました。浜離宮に行くときには、また立ち寄りたいかも。
お腹も満たして、いざ浜離宮へ。今はちょうどコスモスが見ごろで、芙蓉もきれいに咲いていました。金木犀の香りに包まれて癒されたところで、次の目的地へ。
汐留から大江戸線で清澄白河へ向かい、清澄庭園へ。ここも好きな庭園だけれど、今回は少し時間が押していたのでスタンプだけ。入場口前の広場には、桔梗が凛と咲いていました。
続いて清澄白河からバスで浅草へ。道中「かみさまキツネとサラリーマン」のトートバッグを受け取って、さらにバスで東向島へ。次は向島百花園です。……と思いきや、ここでまた小休止。風情のある日本式洋食屋さんを見かけて、ふらりと入店。こちらでお昼をいただきました。大正時代から続く老舗で、もとは銀座にあったそう。ハンバーグがふわふわで、とても美味しかった…。
お腹を満たして、向島百花園でスタンプをポン。さあ、あと一つ。最後は国分寺にある殿ヶ谷戸庭園です。再びバスに乗って亀戸まで行き、そこから総武線で御茶ノ水へ。そこから中央線の特快に乗り換えて向かいました。
50分ほどかけてようやく到着し、スタンプをポン。コンプリート!記念の缶バッジも手に入れて、あとは帰宅の途へ……と思いきや、最後に東京駅へ。薫玉堂さんで注文していた品を受け取りに行きました。
今日は本当にあちこち巡って大変でしたが、思いがけない素敵なお店との出会いもあったりして。とても充実した一日になりました。
#odekake
おでかけ日記 - 庭園めぐり
だんだん秋らしくなってきて、ようやく過ごしやすい季節に。そろそろ散策も楽しい時期だなあと思っていたところ、今年も都立庭園紅葉めぐりスタンプラリーが今日から始まったという情報を発見。
ちょうど庭園の近くに用事があったので、年間パスポートを持って出かけてきました。
お昼前に用事を終えて、まずは小石川後楽園へ。スタンプを押したところでなんだか気分が乗ってきて、「今日は行けるところまで巡ってみよう」と思い立ちました。メトロに乗って駒込の六義園へ行き、スタンプをポン。続いて旧古河庭園で秋薔薇に癒され、少し休憩。
そのあとは旧岩崎庭園へ。ここまでで16時。閉園は17時だったので、浜離宮まで足を延ばそうか迷いましたが、今回は無理せず浜松町で降りて芝離宮へ。
結果、1日で5つの庭園を巡ることができました(しかもお昼から!)。
今回はほとんどスタンプを押して移動するだけでしたが、紅葉はまだ色づき始めたばかり。見ごろの頃にまたゆっくり巡る予定です。




旧古河庭園では明日から秋のバラフェスティバルが開催されるとのこと。
今日の時点でもすでにかなりきれいに咲いていて、ここでは少し時間をかけてのんびり楽しみました。
#odekake
おでかけ日記 - 2年越しのチュロスと、月に1つの楽しみ
先日のおでかけのことについて書いていきます。本当は昨日書き出したかったのですが、すごく眠くて頭が全く働きませんでした…。
まず向かったのは品川。2年前に清澄庭園で食べたチュロスのお店が出店されると知って、これは!と食べに行くことにしました。もう一度食べたいとずっと思っていたものの、移動販売ということもあってなかなかタイミングが合わず。今回は本当にちょうどタイミングがぴったり合いました。久々に食べたチュロス、やっぱりとても美味しかったです。
天気も良くなかったので、食べて満足したらそのまま帰るかとも思ったのですが、そういえばここからなら高輪ゲートウェイまで歩いて行けそう。近くまで来たのでせっかくなので寄って帰ることにしました。次寄ることがあったら買おうと思っていたモノもあったので。
駅前にできたニュウマン高輪は、香りものを扱うお店がとても多くて私にとっていわば楽園のようなスポット。ここに行くとあれもこれもとキリがなくなります。だんだん家に香りものが増えていて、最近買い過ぎているな…という自覚があるので、ここ最近お線香などを買うときのルールを決めています。それは「買うのは一ヶ月に一つだけ」。今月はもうこれを買おう!と決めていたので、そちらに直行して買ってきました。
購入したのは、サンタ・マリア・ノヴェッラのアロマキャンドル。先月薫玉堂の高輪店限定品を買いに行ったときに、お隣にあるお店がすごく気になって。そのお店がこちらで、起源は1221年まで遡るという老舗。すごく有名なお店なので、私より詳しい人はたくさんいそうです。
香水やオーデコロンは自分ではあまり使わないのと、お値段もとても良いものなのでなかなか手は出ませんが、このキャンドルは前回店内を拝見したときにすごく気になっていて。次来た時に買おうと思っていました。
種類がたくさんあって悩みましたが、今回はまずいわゆるサンタ・マリア・ノヴェッラといえば!という香りの「クラシカ」というものをチョイス。「バニラ」も甘くてすごく好きな香りで、どちらにするか最後まで悩みました…。職人さんが手描きで書くという金色のロゴもとても素敵です。
購入後は店内を散策。今回でニュウマン高輪にあるお店をおそらくすべて巡れました。
…そして、来月購入したいなと思った商品ももう見つけてしまいました。我慢できてえらい。
#odekake
おでかけ日記 - ならばのんびり横浜へ
今日はぽっかりと予定が空いてしまったので、それなら少し前に修理が終わったと連絡があった日傘を受け取りに行こう!と、少しだけルートの計画を立てて、急遽横浜まで足をのばすことに。
まず向かったのは、日傘を預けていた「傘地蔵」というお店。手元に戻ってきた日傘は、壊れていたのが嘘みたいにしっかり直っていて、職人さんの丁寧な仕事に感服しました。
お昼は、絶対にここで食べようと決めていた「小さかった男とんかつ寅」へ。メニューを見て、前回すごく美味しかった「とじないカツ丼」が心をよぎる…。すごく悩んだけれど、今回は初めから頼もうと決めていた「岩中豚のとんかつ定食」を。
一口食べた瞬間、サクッとした衣の中から肉汁がじゅわっと溢れ出してきて…。今まで食べたとんかつの中でも、間違いなく一番を争う美味しさでした。ただ、隣の人が食べていたトンテキもすごく美味しそうで…次はあれにしよう…と心の中で決めました。


お腹がいっぱいになった後は、運動も兼ねて「港の見える丘公園」までてくてく歩くことに。途中、「聖坂」というすごい坂道があって、上りながらなんだか長崎のことを思い出して、少し懐かしい気持ちになりました。
公園の薔薇はまだちょっと季節が早かったけれど、ちらほらと咲いているものを見つけるのも楽しい。公園の職員さんたちが丁寧に手入れをされているのが印象的でした。薔薇が見ごろな頃にまた来たいなあ。
園内を散策していると、「カフェ・ザ・ローズ」というカフェを発見。だんだんと日差しが強くなり暑かったこともあって、吸い寄せられるように入店。店名の通り薔薇を使ったメニューが多く、せっかくなので薔薇のソフトクリームと薔薇のサイダーを注文。どちらも風味豊かでとても美味しかった…。歩き疲れた体に染み渡るようでした。
計画していたのはここまで。この後どうしようかと考えていたら、そういえばみなとみらいの「万葉の湯」が改装を終えて営業再開していたことを思い出す。クーポンも届いているし、汗もかいていたのでちょうどいいかもしれない…とそちらに向かうことに。
久しぶりに広いお風呂にのーんびり浸かって、リラックスルームでうとうと…。気づいたらもう18時過ぎ。急遽横浜に向かうことにした割には、とても充実した一日になりました。心も体もリフレッシュできた、素敵な休日でした。
#odekake
おでかけ日記 - 秋のパン祭り
今日は「パンと音楽とアンティーク」というイベントを楽しむため、調布までおでかけしてきました。大好きなアーティスト「空気公団」さんも参加されると知り、とても楽しみにしていました。
会場は「東京オーヴァル京王閣」。一風変わった名前にどんな場所だろうと思っていたら、なんと競輪場でした。熊本にも競輪場があって、幼い頃に親に連れられて行ったことを思い出してなんだか懐かしい気持ちに。熊本の競輪場で食べた天ぷら、美味しかったなあ…。
さて、それはそれとして…。
まずはたくさんのお店が並ぶパンのエリアへ。美味しそうなパンがあまりにも多くて目移りしてしまい、気づけばあれもこれもとたくさん買い過ぎてしまいました。これ以上見ていると際限がないと思い、雑貨やアンティークのエリアに移動。
素敵な雑貨や古着が並ぶ中、特に心惹かれたのが「FlowerBakery -ハルノカオリ-」さんのパンを模したストラップやマグネット。なんと本物のパン生地を焼いて作られているそうで、しっかり乾燥・防腐処理が施されています。かすかにパンの香りがする、とても面白いグッズでした。シナモンロールはわかりやすくしっかりとシナモンの香りが。
そして、一番のお目当てだった空気公団さんのステージへ。
Spotifyだったでしょうか。オススメに出てなんとなく聴いたときから、その世界観と物語性、語りかけるような優しい歌声に“一耳惚れ”して、一度は生で聴いてみたいと憧れていたアーティストです。
最後まで堪能したかったのですが、夕方からの用事に間に合いそうになく、泣く泣く途中で会場を後にしました。今度はワンマンライブで、ゆっくり参加したいなあ。
たくさんのパンを抱えて帰宅の途へ。食べきれない分は冷凍して、少しずつ楽しもうと思います。
ちなみにこのイベントは明日、28日も開催されています。当日券もあるようなので、気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
#odekake
「自分」であり続けるための変化
先日、平沢進さんがSNSで行っていた質疑応答の中に、深く心に残る一節があった。
「自分を好きになれそうにない欠点ばかりが思い浮かぶ」という悩みに対して、彼はこう答えていた。
「それは考えているのではなく、比較しているのではないかい?」
「あなたが“自分以外の誰か”でないことが、あなたの長所の出発点でありゴールです」
この言葉は、私が彼の楽曲『アディオス』に抱いていた解釈を、よりくっきりと支えてくれるものだった。「荒んでもキミはまだキミ」――この一節には、どんな状況にあっても、他者の評価や社会の基準がどうであれ、その存在の核は揺らがないという、深い信頼が込められているように感じていたからだ。
そんな「絶対的な自分」という視点に立ったとき、ふとルルティアさんの『ロスト バタフライ』の歌詞が、あらためて鮮やかに響いてきた。
「変われるから 君は君で 在り続けるのさ」
蝶がさなぎを脱いで羽ばたくように、変化とは自己を失うことではなく、むしろ内に秘めた本質を外へと開いていく、美しく力強いプロセスなのだと思う。
変わることが怖いのは、その先でまた誰かと比べられてしまうのが怖いからかもしれない。でも、自分であることが出発点でありゴールだとしたら、変化はただの「形のうつろい」にすぎない。
そして、この旅路の先を祝福するように、中島みゆきさんの『最後の女神』は力強く歌いかけてくる。
「心は変わる 誰もが変わる
変わりゆけ 変わりゆけ もっと好きになれ」
あなたがどのような存在だとしても、その存在の核は揺らがない(アディオス)。だから変わることを恐れずに前に進み(ロスト バタフライ)、そしてその変化した自分を、過去の自分さえも超えて愛していく(最後の女神)。
全く違う音楽性を持つ三つの楽曲が、私の中で一本の道のようにつながった。
平沢さんは最後に「簡単でしょ?」とさらりと結んでいた。たしかに、難しく考えすぎているのかもしれない。
ただ、自分が“自分以外の誰でもない”ということ――その当たり前を受け入れることが第一歩なのだと思う。
おでかけ日記 - u-full & Dúlarinn 全員集合パビリオン
今日はライブに参加するため、四ツ谷まで出かけてきました。お目当ては「u-full & Dúlarinn」さん。
u-fullさんを知ったのは、昨年の秋に参加したM3がきっかけ。以来すっかりハマってしまい、アルバムもほとんど揃えてしまったほど。
自分の好みにぴったり嵌まるアーティストさんの一人です。
7月には、u-fullさんの20周年記念ライブのために大阪まで遠征しました。
ちょうど七夕の頃で、帰り道に見つけた七夕飾りに「u-fullさんのライブにまた参加できますように」と願いごとを書いたのを覚えています。
関西を中心に活動されていて東京でのライブはなかなか少ないのですが、まさかこんなに早く、しかも東京で開催されるとは思わず…本当に嬉しかったです。
しかも、最初にM3でおすすめしていただいたのが「u-full & Dúlarinn」名義のアルバムだったこともあり、感慨もひとしおでした。
ライブは最初から最後までとても癒される時間でした。中盤では新曲の披露もあり、次の新譜もますます楽しみに。
大好きな「Luna in Ciel」も聴けて感激。曲ごとのちょっとしたエピソード紹介も楽しくて、あたたかい雰囲気に包まれました。
最後には「全員集合」の写真タイムも。
12月にも東京にて「u-full」でライブがあるそうなので、そちらも絶対に行きたいなあ…と楽しみにしています。
2025-09-15
おでかけ日記 - 9月12日編
今日はNEWoMan TAKANAWAのグランドオープンの日。
こちらに新しく出店された薫玉堂にしかない限定品を早速試したくて買いに行ってきました。
お昼から別の用事があったので、11時オープンに間に合うように向かい、とにかく新商品に一目散。なんと最初の購入客だったようで、そう声をかけてくださいました(プレオープンが10日にあったはずなので、正確には一番ではないだろうけれど…)。ちょっと恥ずかしい。
その後少しだけNEWoManの中をぶらぶら。
面白そうなお店がたくさんあって、今度時間があるときにじっくりお買い物したいと思いつつ…今日はここまで。高輪ゲートウェイから高田馬場へ、そして早稲田大学の大隈記念講堂へ。
お昼の用事は、無声映画と活弁の上映会。
前から一度は生で見てみたいと思っていた山崎バニラさんの、大正琴を組み合わせた唯一無二の活弁を観たかったのが一番の理由で、ちょうど上映会があるとのことで応募してみたら当選。ずっと楽しみにしていました。
最初のプログラムが山崎バニラさんの活弁。目玉の松ちゃんで有名な尾上松之助の児雷也のお話がまさかの結婚話に。コミカルな話になりつつも、大立ち回りや変化の面白さ、アドリブなのか何なのか途中に挟まる若干メタな語りなど、目が離せないほど魅了されました。
その後は「声色掛け合い」という、弁士さんが一人一役となって掛け合いをする方法で活動写真を視聴。一人が何役も掛け持つのもとてもすごいことですが、こうやって掛け合いになるとさらにスクリーンの中の人物が生きたような感じになって、大変興味深いものでした。
最後に集合写真を皆さんぜひ撮ってくださいとのことだったので、一枚パシャリ。
それにしても、こちらの大隈記念講堂、とても素敵な建物でした…なかなか機会がないと入れないところだと思うので、それもまたとてもいい記念になりました。
2025-09-12
おでかけ日記 - 芸事上達編
珍しく土日続けてお休みをいただけたので、昨日今日とあちこちおでかけ。
意識していたわけではないのに、気づけば「芸事上達」にゆかりのスポットを多く巡っていました。
土曜日(6日)は吉祥寺へ。買い物の合間、気温は33度と高めながらもいつもよりはましだったので井の頭公園まで足を延ばしました。スワンボートに少し惹かれつつも今回は井の頭自然文化園を散策。木陰が多く、公園でゆっくり休むにはとても良い場所でした。
園内には弁天様をお祀りするお寺があり、参拝はしないもののお邪魔しますとご挨拶。 裏手には「銭洗い弁財天」もあって、皆さんが楽しそうに硬貨をざるに入れて洗っていました。
さらに自然文化園の彫刻園へ。ここには北村西望氏の作品群が展示されていて、なんと平和祈念像の石膏像が。長崎の平和祈念像を生んだアトリエが実はこの井の頭公園にあったと知って驚きました。
吉祥寺に第二の故郷である長崎との縁があったことが嬉しくて、街への思い入れがまたひとつ増えた気がします。
日曜日(7日)は浅草へ。ビートたけしさんの名曲「浅草キッド」にも
煮込みしかないくじら屋で
と歌われるお店、捕鯨舩へ。
日曜は早めの15時から開店ということで5分前に到着すると、思っていたより列は短く2番目で入店できました。お酒は飲まない分、鯨料理をしっかり堪能。竜田揚げも焼きそばもどれもとってもおいしかったです。
そして名物の「牛にこみ」。脂はあるのにくどさがなく、するすると箸が進む味。隣の方がおかわりしていてこちらも心が揺れましたが、さすがにお腹いっぱいで今回は我慢。とはいえ、「煮込み『しかない』」と歌われるのがわかるほど、飲む人ならそれだけを相手に十分満足できそうです。
店の看板には「鯨(げい)を食べて芸を磨け!」の言葉。
土曜日は芸事上達の弁天様にご挨拶、日曜日は鯨をいただいて芸磨き。明日からまた仕事をしっかりこなせそうです。
2025-09-07
『国宝』を観て、そして読んで
「あなた、歌舞伎が憎くて仕方ないんでしょう。でもそれでいいの、それでもやるの」
田中泯演じる小野川万菊が、横浜流星演じる大垣俊介との稽古の最中、その様子を見ていた主役・吉沢亮の立花喜久雄をちらりと一瞥した後に放った台詞です。とても心に残る名場面でしたが、どこか一つ腑に落ちない感覚が残りました。
一見するとこの台詞は俊介に向けた指導のように映りつつ、実は喜久雄にも発破をかけるようなニュアンスを含んでいました。ですが、確かに喜久雄は当時不遇の時期を過ごしていたとはいえ、「憎くて仕方ない」とまで言えるかどうか…。うまく言えないけれど、「憎しみ」よりも別の感情のような気がして。その違和感の正体が、原作を読んでようやく腑に落ちたのです。台詞に初めて血が通ったように感じました。
3時間の大作映画とはいえ、上下巻どちらも約400ページに及ぶ原作のすべてを収めることはできないでしょう。だからこそ、物語をうまくまとめてあり、しっかりと凝縮されていたと思います。ただ、映画だけでは腑に落ちない台詞や場面もいくつかありました。しかし、それらも原作を読み進めるにつれ、少しずつ意味がつながっていきました。
「ああ、このシーンとこのシーンを一つにまとめてあるのだな」「なるほど、この台詞はここで使われたのか」――そんな気づきが積み重なっていきました。さらに彼らが演じる演目ごとの物語についての解説も入っているので、歌舞伎をあまり知らない私でも、場面ごとにリンクする演目を噛みしめながら物語を進めていくことができました。
映画『国宝)』は何より「喜久雄」の物語だったのだなと、原作を読み終えてからしみじみと感じました。映画としては、その絞り込みが正解だったように思います。脇の人物たちの物語まで拾ってしまえば、主題がぼやけてしまっていたかもしれません。
一方で、原作はもっとスケールの大きな物語でした。「喜久雄」ではなく、「芸の道を進み続ける者」の話というか。まったくの別物というわけではないけれど、それに近い広がりを感じます。
どちらも、それぞれに紛れもない傑作でした。
2025-09-02